2025「地下室」

戦前日本モダンホラー傑作選 バビロンの吸血鬼

以前の「2013 “千手”」の時と同じく、会津信吾氏によるアンソロジーで、昭和初期のホラー短編小説を詰め込んだ宝箱です。(千手のときは、藤元直樹氏との共編でした。)

内容も興味深いのですが、まだストーリー漫画もアニメもない時代、娯楽文化の一端を垣間見ることができる資料性に感心します。

丁度、私の祖父母の青春時代にあたり、イラスト創作のために読みながら、彼らや周囲の人々の面影や言葉を偲びました。

そうそう、このブログで投稿の最後に使っている「そかさ。」は、祖母が私によく投げかけていた言葉(湘南弁)です。(意味は「そうですか。」になりますが、イントネーションが独特でお聞かせできないのが残念です。)

おっと、横道でした。

久しぶりということもあり、アイデアがまとまるまでの懊悩はとても辛かったです。

普段から脳筋トレはしているのですが、使う筋肉が違うというか、手がかりの乏しく、ほとんど無から構想を立ち上げるのは苦労しますね。

よくあることですが、結局は最初に思いついたマグリットの「光の帝国」風のアイデアにトッピングをして落ち着きました。

スケッチ(2025.2.22)
スケッチ(2025.3.3)

完成したイラストのタイトルは「地下室」です。

地下室(2025.3.23)

手前の敷石や犬走り、植栽は、最近身につけた植木職人のスキルがなかったらちゃんと描けませんでした。

自分ならどうやって作庭するか考えて作画しました。学習は続けるものです。

アンソロジーの元原稿を読んだ時は、古い漢字の扱いにルビがなくて、でもいちいち調査してられなかったので雰囲気で読みました。

出来上がった本でようやくちゃんと読めます。あれ?ルビが小さくて読めない!

「ぼくがジジイになってたよー。おばあちゃん。」そかさ。