ネットワークゲーム “KNOCK” 1999年(平成11年)12月
Winnyの名前も聞かない頃にP2P(Peer to Peer)のネットワーク技術を利用したネットワークゲームを考案、「先導的コンテンツ市場環境整備事業」に個人で応募して、マルチメディアコンテンツ振興協会(MMCA)より採択ならびに出資を受けた。(有)グラム・デザインの協力を得てJAVAによる開発をい、最終的に完成品一式を納品した。応募者、制作責任者として、ゲームの企画・仕様、グラフィック・アニメーション制作、JAVAコーディング、及びドキュメンテーションを担当する。また、展示に伴う展示計画や印刷物、POPの制作も行った。各地で展示会も催され積極的に参加した。
- 概要:(コンテンツ制作実施計画書より抜粋)
- 都市人口の飽和、利潤追求と合理化の名の下に削ぎ落とされてきた生活環境と社会生活。私達の暮しに物質は溢れていても精神的な喪失感は拭い切れない。そんな閉息した現代社会の生活者達は、新たなコミュニケーションのあり方を模索している。
近年、デジタルコミュニケーションが取りざたされるようになったのは、現実とは異なる距離感とその非現実感に対する人々の本能的な欲求に因るものであると考える。
本制作は、以上の状況を演出して、プレイヤーに現実感を抱かせるのが目的である。ある意味ではアンチテーゼとして、変化して行く社会形態の創出に貢献できるものと考える。
また、本制作は、ゲームとパソコン通信をそれぞれ表現手段(アート表現する上での一つの媒体)と捕らえた上で発想されたものである。
アーティスティックであるものが一つの認知を得ていけば、デジタルコンテンツに求められる市場に新たな視点が加えられる。それと共に、利潤追求の中で、文化として一時的な飽和状態を迎えつつあるコンピュータゲームやデジタルコンテンツに、新たな視野をもたらすものと考える。
本制作の想起は、デジタル技術利用を、文明の創出物から文化の福音へと昇華して行くための一つの挑戦にある。(以上)
- 平成10年11月「先導的コンテンツ市場環境整備事業」におけるプロトタイプ作品製作採択候補者に決定
平成11年2月「先導的コンテンツ市場環境整備事業」中間成果発表会
平成11年3月「先導的コンテンツ市場環境整備事業」における完成品製作採択候補者に決定
平成11年5月「先導的コンテンツ市場環境整備事業」中間成果発表会
平成11年11月「先導的コンテンツ市場環境整備事業」成果発表会in北九州
平成11年12月「先導的コンテンツ市場環境整備事業」成果発表会in大阪 - 主催:マルチメディアコンテンツ振興協会(MMCA) 通商産業省の出資を情報処理振興事業協会(IPA)がMMCAに委託
- 協力企業:有限会社グラム・デザイン
- 音楽・SE:遊佐 力